腱鞘炎の原因は?
関節を動かすのは筋肉であり、その筋肉の力を手や足に伝えるためのひも状の組織(腱)があります。腱は骨から浮き上がらないように「腱鞘」というトンネルの中を通っていて、この腱と腱鞘の間に起きた炎症を「腱鞘炎(けんしょうえん)」といいます。
手指などを動かすときは、腱が腱鞘の中を往復するように移動するため、その際に腱と腱鞘がこすれ合い腱や指の付け根部分に炎症が起きやすく、痛みや腫れの原因となります。一般的には、手首にみられるドケルバン腱鞘炎や指の付け根にみられる弾発指(ばね指)が多く上げられますが、腱鞘炎は肘や足にも起こることがあり、アキレス腱鞘炎という足首にみられるものもあります。
自宅でできる腱鞘炎の解消方法
ここでは中年女性に多い「狭窄性腱鞘炎」の解消方法を説明します。
前腕(伸筋群:手の甲側)のストレッチ
- まず手の平を下に向けて、片方の腕をまっすぐに伸ばします。
- 反対側の手で伸ばしている方の手首を持ち、下に曲げます。
- 前腕がつっぱる感じがするところで、5秒間維持します。
前腕(伸筋群)の親指側・小指側のストレッチ
- まず手の平を下に向けて、片方の腕をまっすぐに伸ばします。
- 反対側の手で伸ばしている方の手首を持ち、斜め下(小指側)に曲げます。
- 前腕がつっぱる感じがするところで、5秒間維持します。
前腕(伸筋群)の運動
- イスに座り、片方の前腕を太ももの上に置き、手の甲を上に向けます。
- 前腕を太ももから離さずに、手の甲を天井方向に曲げます。
- 曲げたら、ゆっくりと元の位置に戻します。(※10回程繰り返しましょう)
前腕の運動(長母指外転筋)
- イスに座り、片方の前腕を太ももの上に置いて、重りを持ち、親指を上に向けます。※重りは、少し水が入っているペットボトルで良いです。
- 前腕を太ももから離さずに、親指を天井に向けて手首を曲げます。
- 曲げたら、ゆっくりと元の位置に戻します。(※10回程繰り返しましょう)
グーパー運動(指伸筋)
- イスに座って、腕を伸ばして手を胸の前に出します。
- その状態のままで、指をグーにします。
- さらに指をパーにして、ゆっくりと戻します。(※10回程繰り返しましょう)
日常生活での注意点
日常生活動作において注意すること
- 痛みがある部分を冷やす・温める
冷やす……患部に熱を持っていたり炎症がある場合や、運動した後に行います。(10~15分程)
温める……患部の血行を改善し、痛みを和らげます。
日常生活の中で手指を使う前に、温めてから仕事を始めるというのも効果的です。 - サポーターや装具をつけましょう
サポーターは、手首などからくる衝撃を肘の痛い部分に達する前に吸収・分散させる効果があり、痛みを和らげることができます。 - 休憩の合間などに、簡単なストレッチをしましょう。
- 関節が硬くならないように意識することが大切です。
日常生活の中で始められるところから、無理なく取り入れてみて下さい!