「整骨院」「整体」「カイロプラクティック」は「どれも同じでは?」と皆様の中で一緒になっている方が多くいらっしゃいます。しかし、この3つにははっきりとした違いがあります。「自分に合っているのはどの治療なのか」を見極めて通院しましょう。
整骨院とは
【施術者】
柔道整復師という国家資格を持った者が行います。
【保険】
保険が適用されます。
【治療目的】
骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷というケガを治すところであり、基本的には骨や関節が対象となります。
【発祥】
古くは「大宝律令(701年)」に骨や関節の手当てが記載されており、その後の平安時代には、「医心方(984年)」にも記載されています。戦国時代では、手当の専門家が兵士の骨折や脱臼を施術したという記録が残されています。さらに江戸時代になると、中国の少林寺の僧によって、挙法とともに「正骨術」が日本の柔術家に伝えられ、庶民に広がったのがきっかけであると言われています。
主に骨・関節・筋肉・腱・靭帯などの損傷に対する施術を行います。治療方法としては、非観血的療法に分類され、手術や注射、レントゲンを撮る、薬を出すなどの医療行為はできませんが、「整復」という骨折や脱臼した部分を、メスなどを使わずに手で元の位置に戻すことは可能です。
基本的には東洋医学が強いのですが、日本古来の医学の他に現代の西洋医学にも基づいています。
整体院とは
【施術者】
整体の資格とは民間資格になるため、厳密に言うと、整体免許を持った者でなくても、施術を行うことができます。
【保険】
保険は適用されません。
【治療目的】
脊椎や骨盤・肩甲骨・四肢(腕と足)・顎などの関節の歪みやズレを矯正して、骨格筋のバランスを調整し、体幹(体から手足を抜いたもの)から四肢への血の流れを良くして血行を改善、痛みや不快な症状の改善を期待するという健康法です。
【発祥】
古くは「大宝律令(701年)」に骨や関節の手当てが記載されており、その後の平安時代には、「医心方(984年)」にも記載されています。戦国時代では、手当の専門家が兵士の骨折や脱臼を施術したという記録が残されています。さらに江戸時代になると、中国の少林寺の僧によって、挙法とともに「正骨術」が日本の柔術家に伝えられ、庶民に広がったのがきっかけであると言われています。
主に全身が対象であり、全体的な骨格の歪みを重視する無血療法を行います。
骨のズレや全身のバランス異常を観るところであり、骨のズレ(脊椎)を矯正して、体のバランスを整えて、自然治癒力をあげるという考え方です。
そのため、腹痛や胃痛などの内臓異常に対しての血液循環の活性化なども行っていると言われています。
施術方法は、基本的に施術者の手足を使用し、まれに補助として道具を使うこともあります。ただし、民間資格のため、各団体の理論や思想によって、施術方法も大きく違ってきます。
民間療法の要素が強い技術であるため、西洋的な構造医学・解剖医学的な理論に基づいた整体よりも、大体は東洋医学的な身体観を含む改善技術で施術します
カイロプラクティックとは
【施術者】
アメリカやイギリスなど一部の国では法制化されてはいるが、日本においては民間資格であり、特に免許を持った者でなくても施術を行うことができます。
【保険】
保険は適用されません。
【治療目的】
カイロプラクティックの治療目的とは、体の歪みを治すことではなく、バランスを整えることであり、神経系の機能回復というのが大きな目的です。
【発祥】
カイロプラクティックとは、アメリカのダニエル・デビット・パーマという人が、歪みによって「隆起」が発生しているのを発見したことから始まりという説があります。
※意味 カイロ:手 プラクティック:治療法
「身体の全システムの司令塔は神経系である」という考え方で、骨格の矯正は、骨の位置やズレの矯正ではなく、背骨の微妙な歪みを調整することを基本として、サブラクセーション(背骨が歪むことによって発生する神経の流れの滞りのこと)を取り除き、神経系の機能を整え、自然治癒力を100%発揮できる状態にするための治療方法と言われています。
そのため、背骨の歪みを重視する非観血徒手矯正療法とも言われています。
整骨院と整体院、カイロとの違いについてのまとめ
整骨院
ケガをしたときに治療をして、治すために行くところです。
整体院
骨格の歪みやズレを手技によって元の位置に戻すことで、体の不具合を改善し、骨格の修正で体全体の機能が高められることによって、自然治癒力を引き出します。
カイロプラクティック
治療の原理原則に違いがあり、患者の病態を観る基準、さらに治療の進行を観る基準が違うとのこと。カイロプラクティックは、神経系の状態を示す「窓」として、各種の反射が正常になったかどうかをチェックするところです。
治療の仕方は施術者によって大きく変わるため、それぞれの違いを知ったうえで、治療にあたることが大切です。自分の体や目的に合った治療を見つけることをお勧めします。
治療の仕方は施術者によって大きく変わるため、それぞれの違いを知ったうえで、治療にあたることが大切です。自分の体や目的に合った治療を見つけることをお勧めします。